青山学院女子短期大学公開教養講座「リベラル・アーツの未来へ」講演会「リベラル・アーツとしての家政学」(阿部幸子本学名誉教授)が開催されました

年が明け、青山学院女子短期大学公開教養講座「リベラル・アーツの未来へ」の2019年度最後の期となる第三期「リベラル・アーツのこれから」が始まりました。第三期第一回は2020年1月11日、阿部幸子本学名誉教授・元学長を迎え、「リベラル・アーツとしての家政学」と題して講座が開かれました。本学卒業生や渋谷・港区民など約50名がご参加くださいました。
阿部幸子名誉教授は長きにわたり、本学家政学科にて、衣料の科学、とりわけ衣類の洗浄・洗濯に関する科学を専門とし、今回はそうした技術的・実践的な側面を離れ、家政学という学問の哲学的位置づけについて、2015年の国連サミットで採択されたアジェンダであるSDGs(持続可能な開発目標)にからめての講座でした。
家政学という学問は19世紀アメリカに生まれ、エレン・リチャーズ(1842-1911)によって確立された、近代の新しい学問です。生産と消費が分離し、男女役割分担が明確化する時代の刻印をうけ、よくも悪くも近代の矛盾を抱え込む学問であることが、お話から改めてよくわかりました。なかでもエレン・リチャーズは、家政学成立の只中にあって、家政学の可能性を、エコロジー・人間学・全体性の回復といういわば「近代の超克」にあると考えていたこともわかりました。本学で教えられてきた家政学もまた、女性に科学教育の門戸を開き、男女役割分担や消費の場という狭い家庭観を超える可能性を持っていたと言え、家政学がまさにリベラル・アーツそのものであることを実感できました。

阿部名誉教授にかつて教えを受けたという卒業生も参加し、同窓会のような雰囲気のなか、なごやかな講演会となりました。会場アンケートでは、「家政学をなんとなく良妻賢母の学問と感じてしまっていたが、そうでないことに気づかされました」「家政学は、お洗濯や家事の技術に重点が置かれていると思っていましたが、講座を受けて、家政学の原理の深さを認識することができました」「SDGsの『作る責任・使う意識』『ジェンダー平等を実現しよう』の意義も、家政学に結びついていたことを知り、よく理解できました」「懐かしい阿部先生の講義がまた聞けてとてもうれしいです」といったお声をいただきました。
来年度も継続してほしいとのお声も多くいただき、本学では2020年度も引き続き公開教養講座を実施することとなりました。詳細につきましてはまた後日発表いたします。
 
次回(第8回)は2月29日(土)11時よりN202教室にて、宮田雅智本学名誉教授を迎え、「数学よもやまばなし」と題して実施いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

2020.01.30