オンラインシンポジウム「共に前へーコロナ禍時代の傷と絆」を開催しました

第19回東日本大震災被災地支援ボランティア活動として、岩手県宮古市との共催で9月8日(火)10時より、オンラインシンポジウムを開催しました。今回、短大Blue Birdは青山学院大学のボランティア団体MF3.11東北応援愛好会のメンバーと“チーム青山”を結成し、青山学院大学の科目「サービス・ラーニングⅠ」の受講者と協働して現地で活動する予定でしたが、コロナウイルスの影響で活動をオンラインに切り替え、それを生かして宮古、熊本、青山をつなぐことにしました。8日のシンポジウムには熊本地震に対するBlue Birdのボランティア活動によって交流が生まれた九州ルーテル学院大学の学生・先生にも参加していただきました。

[第1部]
午前の第1部は「コロナ禍における災害のケア」をテーマとする3人のシンポジストの講演があり、その後にチーム青山で用意していた質問に答えていただきました。人数を減らすためチーム青山の学生は半数が本学礼拝堂に集まり、半数はオンラインでの参加としました。
お一人目の山本正德宮古市長からは東日本大震災からの復興、震災をきっかけとした青山学院との交流、新型コロナウイルス感染症対策についてお話がありました。親元を離れて生活している学生に対して支援金給付・特産品送付といった支援を行なっているなど「誰一人取り残さない」「宮古市民ワンチーム」というスローガンを掲げていることが紹介され、「青山学院の皆さんもチーム宮古の一員と思っている」というお言葉をいただきました。

お二人目、前熊本県知事で現在は社会福祉法人慈愛園理事長の潮谷義子氏からは、まず福祉の現場におけるコロナウイルス感染対策の難しさが語られました。さらに7月の豪雨では過疎化・高齢化が進んでいる地域での被害が大きかったこと、コロナの影響で県外からのボランティアを受け入れられない中で住民たちによる支援活動が行われたこと、地域の絆の重要性が報告されました。また自然災害の際も福祉現場の人員不足が被害を大きくすることに対して関心を持って欲しいという訴え、コロナ感染に対する差別と偏見が問題になっていることから、日常生活の中で偏見を持っていないかを問い直す必要があるというお話しがありました。

三人目は青山学院大学の卒業生で三井記念病院に血液内科科長として勤務されている医師の白杉由香理氏で、本学会場にて講演を行なっていただきました。学生たちにコロナウイルスに対する正しい知識を持つこと、情報の波・洪水に溺れてしまわないためにどのように情報に接し選び取っていくべきかについてお話しいただきました。多くの報道から得ていた断片的な知識が先生のお話しによって整理され、特に自分が発症する前に他の人に感染させてしまうというこのウィルスの特徴を説明していただき、感染予防の重要性をあらためて認識しました。

後半は3人のシンポジストがそれぞれの講演内容を受けて発言されるなど、オンラインということを感じさせないようなやり取りもありました。第1部の最後に九州ルーテル学院大学の学生による7月の豪雨被害に対するボランティア活動の報告があり、前日の台風10号の影響にも関わらず参加していただけたのは、オンラインだからこそと言えます。

[第2部]
午後の第2部は「地域活性化の現場、成果と課題」をテーマのもと、九州ルーテル学院と青山の学生を中心として実施しました。まず前半に宮古市在住の2人のシンポジストからお話をいただき、後半はシンポジストも交えて7つの分科会に分かれてディスカッションを行い、最後に各分科会からの発表、シンポジストからのコメントという内容でした。

お一人目の宮古市地域おこし協力隊・吉浜知輝氏は、2014年に本学が中心に行なったALL青山ボランティア活動に参加した青山学院高等部生との交流がきっかけで、地域活動に参加し地域の教育に興味を持ったという方で、今でも、当時の高等部生でMF3.11東北応援愛好会OBとの交流が続いていらっしゃいます。「遠恋複業課」という、宮古市内の企業や団体と首都圏のビジネスパーソンをつなぐマッチング事業、SNS運用の担当をされているというお話、働き方を“豊か”にすることで地元に貢献したいという吉浜氏のプレゼンテーションは、同年代の学生にとって大変興味深い内容だったと思います。

お二人目の加藤洋一郎氏は青山学院大学の卒業生で、ニューヨークの同時多発テロと東日本大震災を経験したことがターニングポイントになったという方で、現在、宮古市でゲストハウスを経営されています。加藤氏は宮古市でも津波被害の大きかった田老で被災され、3.11後の復興により震災前の記憶を失うことに対する違和感、加速する人口減少に対する危機感を持って地域貢献に取り組んでいらっしゃいます。課題を「自分事」にすること、行動することの面白さ、人を巻き込むには危機感と楽しさの二つが必要だったというご自身の経験に基づくお話は、学生の心に響いたことでしょう。

分科会は「地域活性化」「災害とコロナ」「ボランティア」の3つのテーマごと、2〜3のルームに分かれて5〜7人程度のグループで行いましたが、第1部、第2部前半の内容が刺激になって活発なディスカッションが展開されました。活動がオンラインになったため、青山の学生同士でもこの日初めて顔をあわせるというメンバーもいました。午前午後と長時間にわたり盛りだくさんな内容になりましたが、分科会も設けたことが学生同士のコミュニケーションにも効果があったと思います。

今回、オンラインという慣れない活動を経験し、様々な課題も残りました。また直前の台風の影響も懸念され、不安を抱えた開催でしたが7日のコンサート、8日のシンポジウムと2日間の活動を無事に終えることができました。コンサートの出演者、熊本YMCA、シンポジストの皆様、宮古市、九州ルーテル学院大学、配信を担当していただいた業者の方々、青山学院宗教センター、青山学院大学、女子短期大学の関係者の皆様のご尽力に感謝いたします。

山本正德宮古市長

山本市長の講演スライド

社会福祉法人慈愛園理事長・潮谷義子氏

潮谷氏の講演スライド

三井記念病院医師・白杉由香理氏

白杉氏の講演スライド

第1 部・質疑応答の司会をする吉岡康子宗教主任

礼拝堂の会場風景

九州ルーテル学院大学・学生ボランティア報告

九州ルーテル学院大学・学生ボランティア報告

吉浜知輝氏の講演スライド

加藤洋一郎氏の講演スライド

2020.09.11