谷本信也学長 2012年度 卒業式 告辞


谷本 信也
青山学院女子短期大学学長
第62回卒業式を迎えた本科学生1,016名の皆さん、ならびに、第49回専攻科修了式を迎えた専攻科生117名の皆さん、ご卒業そしてご修了おめでとうございます。
青山学院女子短期大学を代表し心からお祝いを申しあげます。
また、この卒業式修了式に御臨席くださいました、ご来賓の皆様、そしてご父母の皆様を始め、ご家族ご親族の皆様がたにもお礼とお祝いを申しあげます。別室でモニターにてご参加いただいている皆様方には恐縮に存じます。
本日、卒業そして修了される皆さんは、長い伝統に培われた本学の特色ある教育を受けられたわけでありますが、その特色ある教育カリキュラムの中で進められた、今までのつらく厳しかった勉学の努力が実った式となられたことでしょう。その思いは貴重なものであります。
さて私は、皆さんの入学式の告辞の中でそして学内のさまざまな機会があるごとに、自分をどこかで見つけるものではなく、自分自身で作ってゆくものである、在学中に学びの中で、学生生活の中で、社会の中で、自身で作っていってほしい、と申しあげてきました。
一方で、昨年3月の東日本大震災、それに続く福島原子力発電所の災害では、この中にあって、私たちは『絆』という言葉を全身で受け止めました。皆さんの中には語りつくせない大変な立場に置かれた方もおられましょう。お互いが助け合い、助けられ合わなければならない現実をうけ、ある時は助ける立場で行動し、また別のときには助けられました。関東地方在住の皆さんも、おおもとをたどれば、物資も電力も、被害地域から恵まれていた、助けられていたものであることも、はっきりさせられました。自分ということがはっきり見え、そこでの生き方を自分なりに考えられたことと思います。その中にあって、自分がどのようなものであり、何が出来るのか、どうすればよいかを、自身で考えられ、自分自身がわかってきたことと存じます。その思いを行動に移すことで、新しい自分が作られてきたことでしょう。
本学を巣立ってゆく皆さんは、ぜひそれらを忘れず誇りとし、実社会の中での糧として更に育っていってほしいと願うものであります。
皆さんが社会に向かって羽ばたくその今の日本では、そして諸外国でも、経済状態に不都合が生じ、大きな問題へと展開しています。また、経済混乱とは別に、世の中の流れとして、グローバルな社会の中で均質でしかも高品質な消費財を大量に生産消費する資本集約型といわれる様式から、それとは異なり、グローバルであってもローカルであり、個々の一人ひとりに合った生活、仕事、そして社会を求めるという流れがあるように感じられます。世界の中では、内乱に近い形で、一人ひとりの自由への要求にも、それが現れています。
これは、個々の人がばらばらになってゆくということかもしれません。しかし、他者があっての自分であります。自分のやりたいことを探し自分に合ったことを探すということだけではないのです。それだけでは今の自分にとどまってしまい、更に成長して行くことがなくなっています。他への深い思いやり、愛、共感が同時になければいけません。共に生きているのです。他への責任もなければいけません。自己責任という言葉が語られたことがありましたが、自分のことだけを自分で対処するのではなく、個々の個人だけではなく、皆がそして社会が、すべての人と社会に対する責任を進んで果たすように心がけていただきたいと、願います。
今までに申しあげた告辞のすべてが、式次第に書かれております青山学院のスクールモットーである「地の塩、世の光」、女子短期大学の教育理念である「愛と奉仕に生き、社会に積極的な貢献をなし得る覚醒した女性」へとこれからも向かい、更に成長していってほしいということにつながるものであると存じます。自分を失わず、周りを見据え、自分で判断し、社会に積極的な貢献をなし得る真に目覚めた覚醒した女性であってほしいということであります。
最後になりますが、卒業修了の皆さんには幸多かれとお祈りいたします。
以上をもちまして、私の告辞の言葉といたします。本日はおめでとうございました。
2012.03.29