学長メッセージ

女子短期大学学長
八耳 俊文
Toshifumi Yatsumimi
1回限りの人生をあなたはどう使うのか
青山学院には、明治初期に設立された「女子小学校」「耕教学舎」「美会神学校」の3つの源流があります。このうち1874(明治7)年、ドーラ・E・スクーンメーカーが現在の東京都港区麻布で始めた「女子小学校」を源とするのが青山学院女子短期大学です。ドーラはアメリカのメソジスト監督派婦人海外伝道局から派遣された女性宣教師で、高等学校を卒業したのち4年間の教員生活を経て来日したのです。彼女の生涯は本学の非常勤講師であった棚村恵子先生が国内のみならずアメリカ各地へ足を伸ばし詳細な調査の上、『しなやかに夢を生きる:青山学院の歴史を拓いた人ドーラ・E・スクーンメーカーの生涯』(2004年)と題する1冊にまとめられています。
この本の「はじめに」で棚村先生はドーラの生涯をふりかえり「1回限りの人生をあなたはどう使うのか」と問いかけておられます。私の専門は科学史で、中国や日本で19世紀から20世紀にかけ科学の活動にたずさわった人々を調べてきました。その中には宣教師として来た人も含みます。これらの人々の生涯を知るにつれ、何度も同様の問いを意識せざるをえませんでした。確かに時代の制約、生まれた環境や稟賦(ひんぷ)の相違、出会った人々に差異はあるかもしれません。でもこうしたもろもろの事情を超え、私も「1回限りの人生をあなたはどう使うのか」という言葉を学生のみなさんへ投げかけたいのです。
青山学院女子短期大学は2012年度から大幅な改組をおこない、現代教養学科と子ども学科の2学科体制となりました。これまでの国文学科、英文学科、家政学科、教養学科、芸術学科、子ども学科の6学科体制で学んだ人には、別の学校に変わったと映るかもしれません。そうではなく国文学科から芸術学科までの5学科を融合して新しい学科「現代教養学科」を立ち上げ、従来各学科ごとに行われてきた学びを本学全体で共有しようというのが今回の改組の趣旨です。キリスト教信仰にもとづき、高度な教養教育を授けるとの青山学院女子短期大学の教育理念には少しの変更もありません。現代教養学科の名称は21世紀を生きる女性に必要な教養とは、社会を導く女性の基盤となる教養とは何かを常に模索するとの私たちの意思を込めたものです。
教育理念では「社会のあらゆる局面で積極的に貢献をなし得る覚醒した女性の育成を目指し」と謳いました。人は他者との関係の中で生きるものであり、関係の中で自分がつくられ、自分をつくることにより新たな関係を生みだすことができます。焦る必要はありません。社会があなたに期待するのはどれほどものをよく考えているかです。学びも卒業したら終わりとなるものではありません。学びの構えを身につければ一生、学び続けることができます。こうした生涯にわたって過ごす土台をつくるのが本学の在学期間です。どうか本学での学びに思い切り時間を費やし、考えを深め、自分を創り、人と社会に対する責任を進んで果たす人となられることを期待しています。







